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(まっとうに資料を使いましょう、という話)

脱「愛国カルト」のススメ
というブログがある。
このブログと同じlivedoorBlogを利用されていて、
政治カテゴリのランキングの上位に位置しているのを見かけて
覗かせて戴いた。ご存知の方も多いのではないだろうか。

さて、その「脱「愛国カルト」のススメ」の記事に、
坂東忠信「外国人犯罪は増加している」←この10年間一貫して減り続けています
というものがあった。2016年12月03日の記事なので、
リアクションとしては遅きに失した感はあるが、気になったので
検証というのか、批判対象の坂東氏の記事、また
検察庁の資料を実際に眺めてみた。 

「脱「愛国カルト」のススメ」の管理人である桑原一馬氏
(*もしかすると管理人ご本人の筆による記事ではないのかも知れないが、
 判断が付かなかったのでこのように表記させて戴く)
によると、
如何に引用する坂東忠信氏の主張はいずれも誤りだという。
(*桑原氏本人は「大嘘」と書かれているが、
 嘘かどうかは私の問題ではないので、誤りとさせて戴いた)


  引用①
これまで外国人犯罪を話題に上げると、なぜか『「来日」外国人犯罪の検挙状況』
という資料が引き合いに出されて、これを元に外国人犯罪が論じられていました。
しかし外国人には、永住者、特別永住者、永住者の配偶者などの「在日」と、
その他の「来日」の区別があり、公表されていたのは「来日」のみ。
つまり、世代を超えて外国人として定住している実質移民である、
朝鮮民族を中心とした「在日」外国人の犯罪実態に関しては、全く公表されていなかったのです。

  引用②
過去十年を見ると、これまで公開されていた「来日」外国人による
殺人事件被害者数とほぼ同数の「在日」による殺しが存在したことが判明。
つまり、外国人による殺人については、半数の犠牲者が隠されていたのです。
これらはいずれも、「坂東忠信の日中憂考」の2016年2月4日付の記事からの
引用である。桑原氏と同じ箇所を本記事でも引用した。
結論としては、これらの坂東氏の主張は誤りである
あるいは、最大限にまで好意的に受け取ったとしても極めて記述が不適切である。

桑原氏もご指摘の通り、警察庁HPで公開されている統計の中には、
「平成○○年の犯罪」という資料が含まれており、
「来日外国人」と「その他の外国人」という仕方で
それぞれ「外国人による犯罪の検挙件数と検挙人員」として
示されている。例として、「平成27年の犯罪」にリンクを貼っておこう。
p.533が該当のページである。
いわゆる在日外国人がこの「その他の外国人」に含まれることは、
まず間違いのないことと思う。

さて、このような統計が存在する以上、
「在日外国人の犯罪実体に関しては、全く公表されていなかった」
という坂東氏の主張は誤りである。少なくとも、
隠されていたという主張は正当でないだろう。
(*「その他の外国人」であって「在日外国人ではない」という指摘はありうるが、
 本記事はこれを考えない)


公平性の観点から補足しておくと、
上記の警察庁統計のページには「国際犯罪対策に関する統計等」
という項目があって、ここには「来日外国人犯罪の検挙状況」なるものが
別立てになっている(実際にページを見て戴ければ分かる)。
恐らく坂東氏は、このように「来日外国人犯罪に特に注目する態度」
問題視しており、「在日外国人犯罪も同様に取り上げるべきだ」
主張したかったのだろう。
だとしても、在日外国人犯罪は隠されている、という類の主張は
事実に反しており、なされるべきでなかったと私は思う。
「在日外国人犯罪の取り扱いは適切ではない。
 来日外国人犯罪と同じ仕方で公表して、問題として認識すべきだ」
というくらいが妥当だったのではなかろうか。
(*主張内容ではなく、主張の仕方としてである。念のため)


さて、これで話が済めば分かり易かったのだが、もう少し話は続く。
以下の引用は、警察庁HPで公開されている平成26、27年の犯罪情勢のp.78から
のものである。 同ページの表も引用しておこう。

  引用③ 
外国人の刑法犯検挙件数は、平成 17 年以降一貫して減少しており、
検挙件数全体に占める割合は、17年から 21 年までは5%台又は6%台で
推移していたのに対し、22 年以降は4%台となっている。
一方、外国人の刑法犯検挙人員は平成 24 年を底に増加傾向に転じており、
検挙人員全体に占める割合も17 年から 24 年までは3%台であったが、
25 年以降は4%台で推移している。外国人のうち来日外国人についてみると、
刑法犯検挙件数は平成 17 年以降一貫して減少しており、27年の検挙件数は、
17 年から2万 3,620 件・71.5%減少した。刑法犯検挙人員は平成 24 年まで減少傾向に
あったが、25 年に増加に転じ、以後増加傾向にある。
平成 27 年の検挙人員は 17 年から 2,318 人・27.3%減であった。

23

少々表は見づらいがお許し願いたい。
さて、日本という国全体で見た時、検挙件数と検挙人員は
揃って一貫して減少している
。素晴らしいことだ、と言ってよかろう。
他方、その中に占める外国人犯罪の割合は、細かく産出すると次のようになる。

H17:6.72(5.09+1.63) H18:5.83(4.29+1.54) H19:6.16(4.25+1.91)
H20:6.04(4.05+1.99) H21:5.61(3.77+1.84) H22:4.54(2.82+1.72)
H23:4.41(2.72+1.69) H24:4.22(2.55+1.67) H25:4.46(2.70+1.76)
H26:4.53(2.57+1.96) H27:4.48(2.63+1.85)

上の数字は、「外国人犯罪の割合(来日外国人犯罪の割合+在日外国人犯罪の割合)」(%)
を示している。来日外国人犯罪の割合はH24年を底に4%台で横這い
というのは引用の通りである。付け加えて、在日外国人判事の割合は概ね1.5%~2.0%
の間で横ばい
だということも分かるだろう。

検挙人員についても見ておこう。

H17:3.82(2.20+1.62) H18:3.75(2.12+1.61) H19:3.65(2.06+1.59)
H20:3.71(2.10+1.61) H21:3.71(2.16+1.55) H22:3.73(2.08+1.65)
H23:3.59(1.93+1.66) H24:3.63(1.89+1.64) H25:4.02(2.14+1.88)
H26:4.20(2.30+1.90) H27:4.61(2.58+2.03)

H24年までを境に、割合上は増加に転じたことは残念ながら事実のようだ。
来日外国人と在日外国人の絶対数の増減が確認できていないので、
そのデータと突き合わせる必要もあるだろうが、平成27年度には
来日、在日外国人双方ともに検挙人員が数値上も増加
している。 


対して、桑原氏の発言を引用しよう。

  引用④
つまり、少なくとも平成18年以降の10年間では、
外国人犯罪の検挙件数も、中国人犯罪の検挙件数も、
韓国人犯罪の検挙件数も、来日外国人の検挙件数も、
在日外国人の検挙件数も、日本全体の犯罪の認知件数も、
ほぼ一貫して下がり続け、平成27年は10年前のほぼ半分~1/3にまで減少し、
ネットにデータが公開されている平成14年以降では過去最低を記録しているのです。

それにも関わらず、「外国人犯罪がー!」「中国人犯罪がー!」「韓国人犯罪がー!」と
ことさら強調し、しかも「外国人犯罪の増加」などと大嘘を吐くとは、坂東忠信氏の卑怯さには
呆れて開いた口がふさがりません。

私は、氏の主張した数値上の事実には虚偽が含まれていない、という
点については同意する。その限りで「外国人犯罪は増加している」という
主張は確かに誤りである

しかし、このように述べるのであれば、
「外国人の検挙人員数を全体との割合で比較した場合は増加の傾向にあり、
 H27年に限っては実数としても増加している」
ことも考えるべきではないだろうか。

尤も、桑原氏の主張を坂東氏の主張は誤りだという点に限るのであれば
その必要はないのかも知れない。しかし次の主張を結論として述べるならば、
やや偏ったデータの使用だと言わざるを得ないのではなかろうか。
同記事からの桑原氏の言葉である。

  引用⑤

犯罪には注意する必要がありますが、ことさら外国人犯罪を強調する必要などありません。

少なくとも私には、かつては検挙件数の実数、割合ともに高く、
それはある程度落ち着いたものの今では検挙人員の増加が懸念される、
というのが公平な見解ではないかと思われる

強調するにも程度はあるだろうが、問題そのものを抹消するような
主張も公正とは言えないのではないか。

勿論、4%台という外国人犯罪が検挙数に占める割合が
本当に大きいのか、それとも小さいのかを含めて議論せねば、結論は出せない。
その意味では私の見解もまだまだ主観に過ぎないと言わねばならないだろう。
今後も引き続き考えていきたいが、しかしまずは言えることだけを纏めてみた。


繊細で重要な問題であるからこそ、冷静な議論を求める次第である。
 

                            
最後までお読み戴き有難うございます。共感を戴ける方は、
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